「純ちゃん。言ったじゃない?一人で抱え込まず、俺に話してって」

あれからずっと一人で悩んだが、結局は純くんに泣きつくことになってしまった。

しかし、純くんにしてみれば、最初からそうして欲しかった模様。

「うん。ごめんね」

「責めてるんじゃないよ。俺は純ちゃんが悲しむことが、何よりも悲しいんだ。親御さんの離婚を受け入れる覚悟は判ったけど、真相は知らなくても構わない?」

そう言われると、やはり知りたいと思ってしまう。

「知りたい…」

「じゃあ、俺はまず自分の親のことを調べてみるよ。四人とも、学生時代からの友達だし、純ちゃんの親御さんのことも判ってくるかもしれないしね。それで、万一ダブル不倫なんてことがあれば、俺は家を捨てて、純ちゃんだけを家族にするけど…それでも構わない?」

普段は、かなりおっとりした純くんなのに、そこまで強く私のことを想っていてくれるのが嬉しくて…しかし、母があれほど離婚したがる真相を知ることが恐くもあり、思わず抱きついた。

「うん…」