私たちは、めでたく大学を卒業し、幸い仕事も順調だ。

この勢いで、結婚も出産も、きっと何もかもうまくいく気がしていた時のこと。

ある休日、母がかしこまった様子で、話があると言い出した。

「純ちゃん。あなたが純くんと結婚したら、勇さんと別れてもいいかしら?」

勇さんというのは父のことだが…青天の霹靂とはまさにこのことだろう。

「いいかしら?なんて言われても…どうしてそんな急に?」

「急じゃないのよ。ずっと黙っててごめんね…。私たち、純ちゃんが独立したら、別々の人生を選ぶ約束をしてたの」

あまりにも急な話に、私はめまいを感じ、

「ちょっと、頭冷やしてくる…」

そう言い残し、外に出ようとドアを開けた瞬間、目の間では純くんが驚いた様子で、