「純くーん!」

「純ちゃーん!」

もう、数え切れないほど、そんな風に互いを呼び合ってきた。

私が相川純子で、長年の恋人である純くんは、武内純。

よく、冗談みたいだと言われるが、本人たちは全く気にしていない。

出逢ったのがいつだったかすら覚えていないものの、私にとって、初恋の人は純くんで、それは純くんも同じだった。

「純ちゃん。大人になったら僕のお嫁さんになってくれる?」

「うん!約束ね」

そんな幼い約束をしたのは、6歳の頃。

互いの両親からも、反対されるどころか、

「いつまでも、仲良くね」

微笑んで応援してくれた。

だからこそ、中学生の頃に友達からは、

「うちなんて、男子から電話かかってきただけでも母親にキレられたから、彼氏なんて夢のまた夢だよ。純ちゃんたちが羨ましい」

そう言われたものだ。