再会した幼なじみと、ひとつ屋根の下



心菜(きゃーっ!)


颯真がにこりと微笑んでくれたが、心菜は恥ずかしくてつい視線をそらしてしまった。


○HR後の休み時間・教室


女子1「相川せんせーい」


ホームルームが終わると、さっそくクラスの女子たちが颯真を取り囲む。


女子2「相川先生は、どこに住んでるんですか?」

女子3「先生って、彼女いるんですか?」


心菜(うわ。プライベートな質問ばかり。
だけど、恋人の有無は私も気になるところ)


幼い頃からずっと、密かに颯真のことを想い続けている心菜は、颯真の返答を自分の席で今か今かと待っていると。


男子「女子って、やっぱああいう奴がタイプなんかねぇ」

ひとりの男子生徒が、ため息をつきながら心菜の席へとやって来た。


心菜「拓弥(たくや)!」


松木 拓弥 : 心菜の中学からの友達。
黒髪マッシュヘアで、左耳にシルバーのピアスをしている。バスケ部所属。


拓弥「ったく。キャーキャー、朝からうるさいっての。あーあ、どうせ来るなら美女の教育実習生が良かった」

佑美「良いじゃん、超絶イケメン。目の保養になって。あたしは好きだなぁ」


心菜が拓弥と話していると、そこへ佑美もやって来る。


上野佑美(ゆみ) : 心菜の中学からの友達。
軽くパーマがかった茶髪のセミロングヘアで、ギャルっぽい見た目。


颯真「悪いけど、プライベートなことは答えられないから」


無表情で女子生徒の質問に答えると、颯真は教室から出ていく。


心菜「あっ、待って……!」

心菜(久しぶりに会えたんだもん。やっぱり颯真くんと話したい)


心菜は、颯真を追って教室を飛び出した。