○家の近所(夕方)


スーパーからの帰り道。心菜と颯真が一緒に歩いていると、友達の拓弥とバッタリ会ってしまった。


拓弥「なんで、心菜と相川先生が一緒にいんの?」

心菜「そっ、それは……」

返答に困る心菜。


心菜「じ、実は、相川先生は。颯真くんは、私の幼なじみで」

颯真「おい、心菜っ」

心菜「私たち、家が近所なの。昔から家族ぐるみで付き合いがあって。今日も親にふたりで夕飯の買い出しを頼まれて。今はその帰りで……」


ちらっと、心菜は拓弥の顔色をうかがう。


拓弥「ふーん。幼なじみ、ね」

心菜「そうなの。拓弥にだから話したけど、その……このことは、学校のみんなには内緒にしてくれる? ほら、相川先生は人気者だし。女子にバレたら困るっていうか」


拓弥「……分かった。心菜が困るっていうのなら、俺はこのことは誰にも話さない」

心菜「ありがとう」


張りつめていた心菜の顔に、ようやく笑みが浮かぶ。


拓弥「でも、その代わりに……心菜、今度俺とデートしてよ」

心菜「え、デ……」


心菜(デート!?)