再会した幼なじみと、ひとつ屋根の下



○家から徒歩10分ほどのスーパー


スーパーの買い物カゴを持って歩く心菜。
その少し後ろを、颯真がついて歩いている。


心菜(颯真くんとこうしてふたりでスーパーに買い物に来るの、久しぶりだな。小学生の頃のおつかい以来?)

昔のことを思い出しながら、ひき肉と玉ねぎ、キャベツと牛乳をカゴに入れる心菜。


心菜(カゴ、少し重たくなってきたな。
カート使えば良かったかも)

心菜の顔が、ほんの少し歪む。


心菜(そういえば、ドレッシングも残り少なかったな。えーっと、いつも使ってるものは……)


ドレッシング売り場で、棚の上のほうにある瓶に心菜が手を伸ばしたとき。

背後から覆い被さるようにして、颯真が先にその瓶を取った。


心菜(わっ……)


心菜の背中に颯真の胸が触れ、心臓が高鳴る。


颯真「これ?」

心菜「う、うん」


心菜(颯真くん、距離が近い……近すぎるよ)


颯真「高いところにある物は、俺が取るから遠慮なく言って。あと……」


心菜が持っていた買い物カゴを、颯真が横から奪うように取った。


颯真「これ、重いんだろ? 無理すんな」

心菜「あっ、ありがとう」


心菜(何も言わなくても気づいてくれて。そういうところ、ほんと優しい。好きだなあ)