再会した幼なじみと、ひとつ屋根の下



○心菜の家・ダイニング


心菜(んー、今晩何にしようかな)

冷蔵庫のドアを開け、夕飯の献立を考える心菜。今日は母親は遅番のため、夕飯は心菜が作る。


心菜「ねぇ、颯真くんは夕飯何食べたいとかある?」

隣のリビングで、ノートパソコンで作業する颯真に声をかける。


心菜「今日私を保健室まで連れて行ってくれたお礼に、颯真くんの好きな物何でも作るよ?」

颯真「……何でも?」

心菜「うん。女に二言はない」

颯真「ぷっ。それを言うなら、“女” じゃなくて “男” だろ」

心菜(颯真くん、やっと笑ってくれた)


颯真「そうだなぁ……それじゃあ、ハンバーグがいい」

心菜「ハンバーグかぁ」

心菜(確か、冷蔵庫にひき肉がなかったから。買いに行かなくちゃ)


心菜「颯真くん。私、ちょっとそこのスーパーまで行ってくるね」

颯真「待って、心菜。俺も一緒に行く」

心菜「え?」

颯真「外、薄暗いし。心菜ひとりじゃ心配」


颯真に言われて、心菜が窓の外に目をやる。


5月下旬。通常なら夕方の今でも外はまだ明るいが、今日は曇り空のためかいつもより薄暗い。


心菜「それじゃあ、お願いします」