再会した幼なじみと、ひとつ屋根の下



○学校からの帰り道。


心菜「はぁ、はぁ……っ」


先ほどよりも雨足が強くなり、心菜の走る速度も上がる。


拓弥「……心菜っ!」

心菜「え?」


心菜がしばらく走っていると、後ろから拓弥が追いかけてきた。


拓弥「待てよ、心菜」


心菜(え、拓弥!? なんで?)


拓弥「はぁ、はぁ……っ」


心菜に追いついた拓弥が、心菜に自分の傘を差しかけてくる。


拓弥「この傘は、やっぱり心菜が使って」

心菜「え? でも、拓弥に悪いよ」


拓弥「お前が雨に濡れてるかもって思うと、俺が気になって帰れないから。それじゃあ」

心菜「えっ、ちょっと……!」


心菜の言うことを聞かずに、拓弥は自分の傘を心菜の前に置くと、来た道を走っていってしまった。


心菜(まさか、わざわざ追いかけてきてくれるなんて。こっちは、拓弥の家とは反対方向なのに)


心菜は、拓弥が置いていってくれた傘を手にする。


心菜(ありがとう、拓弥。せっかくだから、有難く使わせてもらうね)