王都が完全に平和を取り戻したので、ルドルフに色々押し付けたエドワードはハミルトン領に出向いた。


ルドルフが自分も行きたい想いを押し殺して兄を送り出した。一生、兄の言いなりになりたい希望は叶い、もう一生の一度のお願いは使えない。婚約者のジェニットに会いに行きたいが涙を飲むしかなかった。


(あーザラに会うの久々……僕を殺す気だよマジで)


ザラがハミルトン領に帰ってしまってから、エドワードにはザラの情報が一切入って来なくなってしまった。


ザラが遣わしたリベルタの者たちに妨害されて、エドワードが放った偵察たちは仕事させてもらえなくなったのだ。ザラが本気出せばこうなる。今までザラは手加減してくれていた。


(でも、会いに行けば会ってくれるからね、ザラは!)