不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−

だけどそれも口には出さない。
他に来ているのは樋口風翔。
風翔はさっきからマンガ本を熱心に読み込んでいる。

分厚い眼鏡の奥の細い目がいやらしく歪んでいるから、どんなマンガを読んでいるのか疑いたくなる。
風翔はこのクラス内では一番根暗だと言ってもいいかもしれない。
休憩時間になっても自分から誰かい話しかけることはないし、誰とも目も合わせない。

正直、ちょっと怖いくらいだ。
そう考えていると中西留伊が登校してきた。
留伊は剣道部の生徒で慎重190センチに筋肉質な体つきをしていて、とてもデカイ。

そこに立っているだけですごい威圧感がある。
そんな留伊に気がついて優が明るい声をあげた。


「留伊、おはよう!」


人の席に座ったままで右手を上げている。
留伊は優に気がついて笑顔を浮かべる。

ふたりは2ヶ月前から付き合ってるようで、それは周知の事実だった。
そんなことどうでもいいから、早くその席をどけろよ派手女。