☆☆☆
小高先生は盗撮していた。
それは事実だったが、結局私はなにもしないまま家に帰ってきていた。
今日も体育の授業があったから、何人もの女子生徒が盗撮の犠牲になったはずだ。
「ざまぁみろ」
自室に戻ってニヤリと笑う。
普段私を当面人間扱いしているからこんなことになるんだ。
今頃クラスメートたちが小高先生の性のはけ口にされているかと思うと気分がいい。
鼻歌交じりに着替えをしてリビングへ向かうと、母親が驚いた顔をこちらへ向けていた。
「なに?」
「麻衣子が鼻歌を歌うなんて珍しいじゃない」
そう言われて意識的に鼻歌をやめる。
そう言われればそうかもしれない。
だって、楽しいことなんでなにもない。
心が踊るような経験だって、久しくしていない。
「なにかいいことでもあった?」
そう聞かれて不穏ラジオを思い出す。
けれど私は左右に首を振った。
「別になにもないよ」
言ったってどうせ信じてもらえないだろうし、この楽しみは私だけのものにしておきたかった。
小高先生は盗撮していた。
それは事実だったが、結局私はなにもしないまま家に帰ってきていた。
今日も体育の授業があったから、何人もの女子生徒が盗撮の犠牲になったはずだ。
「ざまぁみろ」
自室に戻ってニヤリと笑う。
普段私を当面人間扱いしているからこんなことになるんだ。
今頃クラスメートたちが小高先生の性のはけ口にされているかと思うと気分がいい。
鼻歌交じりに着替えをしてリビングへ向かうと、母親が驚いた顔をこちらへ向けていた。
「なに?」
「麻衣子が鼻歌を歌うなんて珍しいじゃない」
そう言われて意識的に鼻歌をやめる。
そう言われればそうかもしれない。
だって、楽しいことなんでなにもない。
心が踊るような経験だって、久しくしていない。
「なにかいいことでもあった?」
そう聞かれて不穏ラジオを思い出す。
けれど私は左右に首を振った。
「別になにもないよ」
言ったってどうせ信じてもらえないだろうし、この楽しみは私だけのものにしておきたかった。



