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今日の朝ごはんは焼き鮭だった。
私は鮭の身をほぐして白米と一緒に口に運ぶ。
「今日はいつも以上に陰湿な顔してどうしたの」
母親の声で顔をあげると、そこには娘を心配しているようなどこか嫌悪しているような顔があった。
「ううん。別になんでもない」
昨日の夜聞こえてきた不穏ラジオの声が今でも頭をグルグルと回っていて、あまり眠れなかったのだ。
それにしても実の娘に対して陰湿な顔とはひどい言い方だ。
「麻衣子はただでさえ暗い顔してるんだから、もっと笑ってなさいよ」
「うん……」
暗い人間が笑ったところで風翔のように気味悪がられるだけだと思うけれど、反論しないでおいた。
「あのさ、お母さん」
「なに?」
「昨日の夜、なにか聞こえてこなかった?」
その質問に母親は箸を止めて私を見つめる。
「それって昨日言ってた音楽のこと?」
「うん」
今日の朝ごはんは焼き鮭だった。
私は鮭の身をほぐして白米と一緒に口に運ぶ。
「今日はいつも以上に陰湿な顔してどうしたの」
母親の声で顔をあげると、そこには娘を心配しているようなどこか嫌悪しているような顔があった。
「ううん。別になんでもない」
昨日の夜聞こえてきた不穏ラジオの声が今でも頭をグルグルと回っていて、あまり眠れなかったのだ。
それにしても実の娘に対して陰湿な顔とはひどい言い方だ。
「麻衣子はただでさえ暗い顔してるんだから、もっと笑ってなさいよ」
「うん……」
暗い人間が笑ったところで風翔のように気味悪がられるだけだと思うけれど、反論しないでおいた。
「あのさ、お母さん」
「なに?」
「昨日の夜、なにか聞こえてこなかった?」
その質問に母親は箸を止めて私を見つめる。
「それって昨日言ってた音楽のこと?」
「うん」



