不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−

その音楽はどこから聞こえてきているのか確認しようと思ったが、出どころがわからない。
まるで自分の頭に直接流れ込んできているような感覚だ。

私は自分の耳を塞いでみた。
だけど音楽はくぐもることなく、ハッキリと聞こえ続けている。


「嘘でしょ。私の頭の中で聞こえてるの！？」


驚愕に呟く自分の声はしっかりとくぐもって聞こえてくる。
私はベッドの上に呆然として座り込んだまま、動けなくなってしまった。
頭の中で音楽は鳴り続け、やがてその音は小さくなっていく。
代わりにさっき聞こえてきた男性の声が聞こえてきたのだ。


【今日の不穏話は大谷高校２年A組のみんなの話！】


え……？
今のは私の聞き間違いだろうか？
大谷高校２年A組と言わなかったか？

そこは紛れもなく私が在籍しているクラスで間違いがなかった。
これは一体どういうことなんだろう。
混乱しながらも続きを待っていると、また男性の声が聞こえてきた。


【大谷高校は都市部から離れたのどかな場所にある高校ですね。この学校でどんな不穏がことがあるというんでしょうか！？】


それはまるでこれから映画が始まろうとしているときのような煽り文句だった。
男性の声は深刻そうで、それでいてどこか楽しそうな雰囲気も持ち合わせている。