自分が風翔の立場であれば、小高先生も同じように学校から去るべきだと考えるかもしれない。
風翔が隠しておきたい弱みはすでにクラス中、いやきっと学校中に知れ渡ることになってしまった。

ということは、今の風翔は怖いものなしということなんだ。
風翔の怒りが私へ向けられる可能性も考えられる。

そうなる前に、小高先生の弱みを公表するべきなのかもしれない。
風翔と同じようにちゃんと咎められることになれば、風翔の怒りは静まるはずだ。

一気に2人の手先がいなくなるのは不便だったし不安だった。
でも、このままほっておくことはできない。

私は沈み込んでいく気持ちを抱えてスカートのポケットからスマホを取り出した。
SNSを立ち上げて、今限りの捨てアカウントを作成する。

そしてそこに小高先生の盗撮動画を貼り付けて登校した。
ちゃんと学校名や担任クラス、先生の名前も明記した。

フォロワーゼロのアカウントでも、こういう問題動画の場合はあっという間に拡散される。
本文には《変態盗撮教師!》と目につく文章もつけておいたので、今日の夕方くらいには影響が出ているはずだ。