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A組内で根暗同士の私と風翔が一緒に歩いているのを目撃されるわけにはいなかった。
誰かに見られれば笑いものにされることは必須だ。
けれど幸いにも空き教室へ到着するまで同じクラスの生徒に会うことはなかった。
「で、話って?」
1階の廊下の奥にある空き教室は普段物置にされていて、埃っぽかった。
年中鍵が開けっ放しになっているのは、ここに置かれているものが比較的頻繁に使われるものだからだろう。
「風翔のお父さんって工業団地に務めてるの?」
突然本題へ入ってもおもしろくないので、私は探るように風翔を見る。
「そうだけど、それがなにか?」
「あの周辺で風翔の姿を見たことがあるからそうなのかなぁと思って」
「へぇ。で、話ってそれだけ?」
風翔はすぐにでもここから出て行きたそうだ。
けれど本題はまだ始まってもいない。
「今日もね、風翔をあの辺で見かけたよ」
その言葉に風翔は一瞬目を泳がせた。
どこで私に会ったのだろうかと記憶を手繰り寄せているのかもしれない。
だけど風翔の記憶の中に私はいないはずだ。
A組内で根暗同士の私と風翔が一緒に歩いているのを目撃されるわけにはいなかった。
誰かに見られれば笑いものにされることは必須だ。
けれど幸いにも空き教室へ到着するまで同じクラスの生徒に会うことはなかった。
「で、話って?」
1階の廊下の奥にある空き教室は普段物置にされていて、埃っぽかった。
年中鍵が開けっ放しになっているのは、ここに置かれているものが比較的頻繁に使われるものだからだろう。
「風翔のお父さんって工業団地に務めてるの?」
突然本題へ入ってもおもしろくないので、私は探るように風翔を見る。
「そうだけど、それがなにか?」
「あの周辺で風翔の姿を見たことがあるからそうなのかなぁと思って」
「へぇ。で、話ってそれだけ?」
風翔はすぐにでもここから出て行きたそうだ。
けれど本題はまだ始まってもいない。
「今日もね、風翔をあの辺で見かけたよ」
その言葉に風翔は一瞬目を泳がせた。
どこで私に会ったのだろうかと記憶を手繰り寄せているのかもしれない。
だけど風翔の記憶の中に私はいないはずだ。



