不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−

その瞬間私は理解してしまった。
あぁ。今回もダメだったんだと。


「好きな子がいるんだ」


正広がそう言うと一瞬で頬が赤く染まった。
その顔は、私が正広を思っているときと全く同じ顔だ。


「だから、その……」

「……わかった。呼び止めてごめんね」


目の奥がジンッと熱くなるのを感じて私は早口でそう言い、正広の隣を通り過ぎてあるき出した。
このままずっと一緒にいると、絶対に泣いてしまうと思ったから。

大股に歩いて胸の痛みをごまかすことしか、今の私にはできない。
正広には好きな子がいる。

相手は誰なのか気になる前に、そんな情報くらい仕入れていなかった自分に腹がたった。
勝手に好きになって勝手に告白したくせに、相手のことをなにも知らなかったのだから。
私は今にもこぼれてしまいそうな涙を押し込めて帰路を歩いだのだった。