「少しは上達しただろ。打ち方わからなくて何度も聞いてきて、やってというけど、教えるだけで俺はやらないようにしたんだ」

 「高梨君も鬼教師だね」

 「当たり前だよ。自分に返ってくるからな。あのとき先生に強く指摘されて、社長に注意してもらって良かったよ。俺だったら立場上出来なかった」

 「海斗ってすごいね」

 「……まあ、すごいな。言いたくないけど」

 「よく言うよ。おうちのことも頼んだんでしょ、結局」

 頭を掻いて笑ってる。

 「確かにな。お前絡みじゃなければもっと仲良かったよ。お互い遠慮があるもんな」

 確かにそうかもしれないな。でも、仲良くやってるじゃない。良かったよ。

 翌週。私は予定通り退院がようやく決まった。