何だと?相変わらず人のことに首を突っ込むのが大好きだな。あの人は弁護士だと肩入れしすぎるから、検事あたりが丁度いいんだよ。

 俺がため息をついているのを見て、笑いながらソファー席を示した。

 向かい合わせで座った。

 「海斗。蓮見から茜ちゃんの縁談は息子である蓮見社長のことも絡んでいるので、破談になっても許してくれと言われていた」

 「わかってますよ。顧問弁護士の話をして茜を異動させてくれたのも爺さんの顔を立ててやってくれたんだろ」

 「わかっているならいい。この先はお前と茜さん次第だな。しかし、タイミングが悪いというか、ギリギリ間に合ったというべきか……」

 「爺さん。何とかもちろんするが、わかっていて欲しい。俺たちは結婚前提に付き合いはじめた」

 「健斗からそれも聞いた、茜さんに会ったらしいな」

 「はー、兄貴は何する気なんだ」

 「お前達次第だから何もするなと言ったんだがな。まあ、大丈夫だろう。あいつは馬鹿じゃない」

 確かに……裁判官の父さんも兄貴のことは認めてる。母さんだけが兄貴は頭がいいくせに、チャラいのが気に入らないといつも喧嘩してる。