悠久の絃

読書中は嫌なことを忘れられるけど、時間も忘れてしまう。
部屋の扉がノックされ、時計を見るともう17時だった。


赤城「入るよ〜」


部屋に入ってきたのは悠先生と、夜星先生と上宮先生。それと夏くん。夏くんはご飯を持っている。夜ご飯にはまだ早い時間なのに。


赤城「今日は19時から治療だから少し早めの夜ご飯ね。お昼も食べてないからお腹すいたでしょ。
でも、その前にもしもしさせてね。」



夏くんは机にご飯を置いて私のシャツを捲る。
いつもの悠先生のもしもし。それから夜星先生と上宮先生のもしもし。

上宮先生が「大丈夫そうだな」と言った。



赤城「うん。いとちゃん、ご飯食べていいよ。」


夏くんは部屋を出ていったけど、3人はまだいる。
別にお腹は空いてない。それに、これを食べたらもう治療に行くしかない。
何とか箸を持つけど、食べる気は無い。


赤城「いとちゃん?お腹すいてない?それ食べないと点滴増えちゃうよ?」


点滴、増えるのはやだ。でも、食べたくない。
だって、私を見下ろしてる2人が怖いんだもん。

そう思ったけど、少しずつご飯を胃に入れていった。