悠久の絃

色んな先生に話を聞いて少しずつわかって来たんだけど、いとちゃんのご両親が離婚したのはいとちゃんが4歳のときだよね。つまり10年前か。

それに、早瀬先生はこの病院の医師だったってことは、いとちゃんが言っているお兄ちゃん達はこの病院のスタッフの可能性が高いのか。

それなら瀬堂先生の『この病院の誰かかもね』という発言も理解出来る。



「僕も、この病院の誰かだと思うな〜
いとちゃんがこの人だ!って思った人に聞いてみなよ。案外当たるもんだよ、そういうのは。」


絃「そうなのかな〜でも、たしかに誰かに似てる気がする。今度見つけたら声かけてみる。」


「それがいいね。それと、午後なんだけど、」


僕が午後の予定を話そうとした時、ドアがノックされた。



??「こんにちは〜お昼ご飯持ってきたよ。」


お昼ご飯。もうそんな時間か。


??「絃ちゃんははじめましてだね。
私は、佐々木心波(ササキコノハ)です。このって呼んでね。慈良夏音と一緒に絃ちゃんを担当する看護師だからよろしくね。」


そうか。絃ちゃんは佐々木さんと初対面か。
夜星先生と相談して、夏と佐々木さんなら信頼できると思って担当してもらうことにした。


絃「この、、さん。よろしくお願いします。」


佐々木「さん呼びはやだな〜なんか堅いし。ちゃんでいいよ。」


絃「このちゃん。よろしくお願いします。」


佐々木「うん!よろしくね〜また後で回収しに来るからね。
あ、赤城先生、椎名先生が医局に来てましたよ。」


「え、そうなんですか。ありがとうございます。
いとちゃん、また後で来るね。ちゃんとお昼食べるんだよ」