悠久の絃

9時50分までパソコンに向き合い、院長室へと向かった。



9時55分。院長室の扉の前で2、3度深呼吸をし、ノックをして中に入った。



中には既に院長先生、入島医局長、父さん、警察の方、役所の方がいる。


院長「そこに座って。」


「はい。失礼します。」


院長「では、もう一度確認しましょう。
引き取るのは、赤城悠先生。
保証人は、赤城医局長、入島医局長、そして私でよろしいですね?」


赤城父「はい。大丈夫です。」


入島「私も、大丈夫です。」


警察「承知しました。では、これらの書類に目に通し、サインをお願いいたします。」



4人でじっくり5つほどの書類を読み込んだ。


サインをすればいとちゃんは今日から18歳になるまで、僕が保護者になる。
3年と半年、僕が育て、護らなくてはならない。その覚悟を持ち、力強く、丁寧にサインした。
僕に続いて父さん、入島医局長、院長先生の順にサインし、それを役所の方に渡した。



役所「はい。受理させていただきます。
こちら、一応子育て支援のパンフレットです。思春期等でお悩みがあれば、ご相談ください。
以上で手続きは完了致しました。お疲れ様でした。」


「ありがとうございました。」


警察の方と役所の方を見送り、医局長に緊張や不安をぶつけながら医局へ戻った。