悠久の絃

そのまま喘息の検査も終わって部屋に戻ると、すぐに瀬堂先生が来た。


瀬堂「検査お疲れ様。もくもくだけやっちゃお。」



そういえば、昨日家に来たのは瀬堂先生だったよね。
なんで病院なんかに連れてきたの。ずっとお家にいたかったのに。

そんなこと思ってても、口には出せない。
そんなことを言う勇気はない。思っているだけでいい。



されるがままに吸入した後、いつの間にか寝てしまっていた。目が覚めたのは、夕方だった。


窓から差し込む橙の光が綺麗。
悠先生の家から見える夕日は、この街全体を包み込むような光だけど、ここの夕日は私だけをさしているみたい。



日向「絃ちゃん?」


声のする方を見ると、日向先生がいた。



日向「おはよ。悠は飲み物買いに行ってるよ。
夕日、綺麗だね。」


「はい。」



日向先生は、優しい。
お家に来た時はいつも明るくて、自然と笑顔になれる。

でも、入院中に1番泣かされたのは日向先生だと思う。カウンセリングの時、いつもズバズバと痛いところを突いてくる日向先生は、怖い存在でもあった。