もし、話しかけでもしたら……。

『学校は話しかけてくんな。用があるなら電話か家に居る時に聞け。』

 とか、言ってきそうで怖いんだよね。

 被害妄想だって理解はしてるけど、今のしぐくんはそんな感じだから。

 それに今も、教室には居ないし。

 どこに行ってるのかは分からないけど、前からしぐくんは教室に居たがらないタイプだった。

 だからどこかちょうどいい穴場スポットを見つけて、そこで過ごしてるんだろう……と憶測を立てる。

「なずちゃんさっきから誰か探してる? どったの?」

「え、えっとね……しぐく――て、天満君を探してて。」

「天満~? あいつなら生徒会の仕事があるとかじゃないの~? 天満って優秀だからね~。」

 志乃ちゃんの説明に、その考えがあったかとはっとする。

 亜希奈ちゃんも便乗するように、しぐくんのことを教えてくれた。

「そーだよねぇ。天満は例年と違ってめっちゃ早い任期で会長になってたし、ていうか前の会長と仲良かったもんねぇ。」

 そっか……しぐくん昨日、前の生徒会長はFuzzyの元総長だったって言ってたし……。