「なずなちゃんアメリカ居たの!? え、すっご!」

「そ、そうかな? 私はただ、お父さんたちに着いてってただけだよ。」

「いやいや、外国に行く事ってないから凄い事だよー。あ、亜希奈トマトもーらいっ。」

「おわぁっ! 志乃取んなぁ!」

 お昼の陽が差してくる中、私は亜希奈ちゃんと志乃ちゃんと昼食を取っていた。

 二人がまたも仲良さそうにしているところを見ながら、私はぼんやり午前までの授業を思い返していた。

 ここは偏差値高いから授業の速度も早いなぁ……私、ついていけるのかな。

 勉強は好きだけど得意じゃないし、自信がない教科もあるから心配ではある。

 だけど志乃ちゃんすっごく頭が良いから教えてもらえて、大丈夫だ!と勝手に思っていた。

 亜希奈ちゃんは体育会系で、勉強は全然ダメだって言ってたけどね……あはは。

 ……そういえば、学校に来てから一回もしぐくんと話してないな。

 席も近いわけじゃないから、話せないのは仕方ないかもしれない。

 それにしぐくんの様子を見ていると、安易に話しかけちゃダメな気がしていた。