ただただ、お父さんが過保護すぎって信じたいっ。

《……あっ、そろそろお仕事に行かなきゃ。それじゃあなずな、そっちでも気を付けるのよ?》

「分かってるよ! 何かあっても、多分何とかなるし!」

《なずなのその言葉、あんまりあてにならないのよね~。》

「えっ、酷いよお母さんっ!」

 お母さんまで、そんな事言わないでよっ……!

 慌ててそう反論すると、《ふふっ、冗談よ~?》なんていう、きっと冗談じゃない言葉が聞こえてくる。

 もう、お母さんもお父さんももっと私を信用してくれてもいいのにっ。

 少しむくれながらも私は二人に、言いたい事を言って電話を切った。

「二人も気を付けてね! お仕事もほどほどに、根詰めすぎないで!」

《は~い。》

《……その言葉、なずなにそっくり返していいか?》

「お父さん、返さなくていいよ。この言葉あげるから。」

 真面目なトーンでそう言ったお父さんに、私も真面目なトーンを作って返す。

 やっぱりお父さん、私のこと信用してないよねっ……ううっ。