しかし理緒は、なぜか
悲しそうだった。

亮二は、

「先生は理緒のために
そう言ってくれたんだよ」

と励ました。

理緒もそれは納得していたが、
信頼している教師に突然、突き放された喪失感は
相当なものだったようだ。

その日の理緒は、夕飯も食べずに、寝てしまった。
寝室からは、すすり泣く声が聞こえた。

それは、まるで、
親に捨てられた子供のようだったー