「これからトゥシューズになります」
トゥシューズ…!?
私が履いてもいいの…!?
理緒の目が輝いた。
高杉が大きな
段ボール箱を持ってきた。
そこには、たくさんの使い古した
トゥシューズがあった。
「今までの生徒が
履きつぶしてきたものです。
トゥシューズは何百種類もあります。
そこから自分に合うトゥシューズを
見つけて、加工し、
パットを入れリボンを縫い、
トゥシューズをトンカチ等で叩いて変形させ
自分の足に合うトゥシューズにします。
まず、一回で自分に合うトゥシューズを見つけるのは不可能です。
何回も買い直して、加工することになります。
今は、どれが一番あなたに合いそうか
みつくろいます」
高杉に言われるまま
何足も履き直した。
そして
「これが一番合いそうですね…」
レペットという
トゥシューズだそうだ。
「バレエ用品店、ミルバに行って
まず買ってきてください」
そう高杉に言われ
理緒の顔は引き締まった。