「お忙しいところ失礼します、整形の成宮です、
先生からご紹介頂いた津川理緒さんですが、第三中足疲労骨折です。先生の方に、今レントゲンをお送り致しました」
誠一郎はパソコンで理緒のレントゲン写真を確認した。予想通りの結果だ。そうだろうと思った。
中足疲労骨折はいつ骨折したか分かりにくい。
そして、サッカーやバレエなどをやるスポーツ選手に多いケガだ。
誠一郎は、「お手数をおかけしました
津川さんのご様子は」と尋ねると、「えーっとですね…」と、整形の成宮医師が言葉を濁した。
「患者さんは手術を望まれてなく…もちろん、手術しなくても安静にしてくだされば一ヶ月半程度で
治ると思いますが…バレエを休みたくないと…テーピングとボルタレンで何とかすると仰ってまして…
その…ボルタレンで何とかする問題でもないですし、それはかなり危険ですので
やめてもらいたいのですが、このままお会計して帰りたいと言っておりまして…」
どうやら、整形では理緒を説得できないのだろう。
「分かりました、一度、精神科に戻るようご本人に伝えて頂かますか?」
「はい!ありがとうございます
助かります、では、精神科に戻るよう伝えます」
整形の成宮医者は、そうとう理緒の説得に手こずったのか誠一郎の言葉でホッとしたようだった。
15分後、理緒が精神科に戻って来たのを受付で確認し、待合室で待っている理緒を診察室に呼んだ。
「失礼致します」
理緒は何事もなかったかのように
涼しい顔をして診察室に入ってきた。
足を引きずりながらー

