ワインとチーズとバレエと教授


母親は首を吊っていたー
父親は、泣き崩れ

「母さんが死んでしまった、母さんが… 母さんが…あぁ、どうしよう…母さん…」
と、泣いていた。

誠一郎は

「……父さん、ちょっと2階に上がっててくれないかな?」

「あー、母さん!」

二階の階段の手すりに、ロープをひっかけ、母親は首を吊っていた。父が母の体を降ろそうとする。

二階から、ぶら下がっている母親の遺体を父が引っ張り続ける。そのせいで母の遺体はすでに損傷していた。これ以上、遺体を傷つけたくない。

「父さん、ごめん…」

誠一郎は、常に持ち歩いていたセルシンを注射して父親を黙らせた。

誠一郎はそのまま警察に電話をした。

「母が首を吊っています…住所は…」