「…先生?大丈夫ですか?」佐藤さんは、誠一郎の異変に気がついた。

「…大丈夫です、では2週間分のお薬です。飲みたくなったら、必ず先に薬を飲んでくださいね」

「…はい…」

佐藤は誠一郎を心配そうに眺めながら、診察室を出て行った。

妻の腕を振り払って…

腕を振り払って…

腕を振り払って…

ウデヲフリハラッテ…

誠一郎は急に吐き気がこみ上げてきた。

急いでトイレに駆け込み、大して食べていない朝食を嘔吐した。その後 、トイレの洗面台で顔を洗い、自分は一体、どうしたのかと思ったー

疲れているのか?胃炎なのか?でもそんな不摂生やストレスはないはず…そう思いながら、フラフラしながらトイレを出たが

ウデヲフリハライ…

また吐き気が込み上げ、そしてトイレに逆戻りし、吐くものが、もう出ないぐらい吐いた。