ワインとチーズとバレエと教授

誠一郎は日曜日の朝、スーツを着て理緒が行きたいと言ったホテルのアフタヌーンティーに出かけようとしていた。

男なので、三段トレーのアフタヌーンティーは少し気恥ずかしさがあるが、理緒の雰囲気にはとても似合っている。

シティホテルのロビーで待ち合わせをしていたが、
理緒は、思った通り20分も先に到着していた。

「誠一郎さん!」

と駆け寄ってきた理緒を誠一郎は制した。

「走ってはいけません、あなたは体調が芳しくないのだから…」

「すみません…」

理緒が急に、もじもじした。

今日の理緒は、艶やかな黒髪をそのままストレートにし、ピンクで裾が長いドレスワンピースを着ていた。それがまた美しく理緒を引き立たた。