ワインとチーズとバレエと教授



理緒が再び栄養士からもらった献立表に目をやった。ぶり大根か、豚肉の生姜焼き…

ダメだ…そんなの作っていられない。
もう立っていられない。

今日は誠一郎を2時間も待って疲れた。

理緒が、目玉焼きで済まそうと思ったとき、チャイムが鳴った。

インターホンの画面を見ると、何と誠一郎の顔が映った。理緒は驚きながら

「先生、どうかされました?」

と、インターホン越しに誠一郎に話す。
あまりに驚いて「先生」に呼び方が戻ってしまった。

「夜、遅くにすみません、あなたと話したいことがあって…」

予定外の訪問者だが、理緒はすぐにオートロックを開けた。そして部屋のチャイムが鳴りドアを開けた。そこには、誠一郎が立っていた。

「…どうぞ…」

理緒が誠一郎を招き入れた。

「突然すいません、あなたに何の連絡もせず…」

誠一郎は真剣な眼差しで理緒を見た。

とりあえず理緒はスリッパを出し、誠一郎を部屋に招いた。