ワインとチーズとバレエと教授

理緒は病院から帰宅し、栄養士からもらった 
献立表を見ながら野菜スープを作っていた。

人参と玉ねぎとベーコンを炒め、コンソメスープで煮る 簡単なものだ。

理緒は以前、シェフに料理を習っていたので、フレンチもイタリアンも懐石でも全て作れる。

ただ、今、料理が作れなくなってきた。
それは疲れるからだ。

もう、凝った料理を作るため、立ってられなくなっていた。

ずっと、ベッドに横になって、立てない日もある。

ベッドの横のテーブルに、ペットボトルの水を3本と薬置いて、コンビニで買ったおにぎりや、プリンを補充して、その日をしのぐことも多くなった。

でも、それをいちいち、誠一郎に伝えようとは思わなかった。

今日は病院で誠一郎と会えてよかった。
ランチに誘ってもらえて嬉しかった。

誠一郎に「妻です」と言われた時は驚いたが、どこか嬉しかった。

でもその後、誠一郎が不機嫌になったことが心配だった。

その後、早苗と会えた。彼女はきっと誠一郎と親しい仲なのだろうと思った。

以前、誠一郎が、結婚を考え、お付き合いをしていた女性がいると言っていた。

それが早苗でないかと理緒は直感的に思った。

でも、早苗からは、誠一郎に対してのいやらしさや、理緒に対しての敵意は、全く感じられなかった。

きっと誠一郎が不機嫌になって、困ってる自分に
助け舟を出してくれたのだろうと理緒は解釈していた。