ワインとチーズとバレエと教授


何かあったとしか思えない。

誠一郎が連絡なく遅れるなんて、こんなの、普通じゃないー

もし、誠一郎に何かあったら…
何かあったら生きていけない…

理緒はどしゃ降りの雨の中、ドレスが濡れようと、髪が濡れようと構わず、携帯を握りしめ、あちこち、誠一郎を探した。

このまま、会えなかったら…
誠一郎に何かあったら…

交差点に差し掛かった。信号が点滅してる。

あっちへ行ったほうがいいのでは…

理緒が交差点を走り出したそのとき、グイっと、腕をつかまれた。

「あなた、何してるんです!!」

そこには、息が上がって、傘を持った誠一郎がいた。