理緒が誰かと会うのは初めてだ。
友達なら、気楽に話せるだろうと亮二も勧め、理緒が友達と合う約束をした。

数日後、理緒は同級生と会って、たくさんおしゃべりをして楽しい時間を過ごして、帰ってきたようだ。

「楽しかったか?」と亮二が聞くと

「うん、たくさん話して喉がカラカラ」

そう言いながら、理緒が水を飲み干した。
理緒が言うには、友人は現在、結婚式場で働いておりオートクチュールのモデルを探しているという。

モデルになりそうな人物をインスタグラムで探していると、そこには、バレエをやっていて美しい鎖骨と、出っ張った肩甲骨、白い肌で指先まで美しい
理緒を見つけたという。ぜひ、オートクチュールのモデルをお願いしたいと頼まれたという。
理緒は、それを受けるべきか、亮二に相談してきた。

「いいじゃないか!」

亮二は、すぐに応援したが理緒は浮かない顔だ。

「どうしよう…やれるかどうか…」

と悩んでいたが、亮二は、もちろん

「やったらいいよ」と言い理緒の背中を押した。

友人が言うには、理緒は、背は低いけど、指先も、鎖骨も、背中も、髪も、白い肌も、大きな瞳も、
オートクチュールのモデルにピッタリだと、理緒を絶賛していたという。

亮二も、もちろん賛成した。

「すごいじゃないか!
やってみたらいいよ!」

それでも、理緒はなぜか、あまり乗り気ではないようだ。

「でも私、背が低いし…」

「相手はそれでもいいって言ってるんだろ?」

「私はバレエがやれれば、それで良くて…」

「新しい事に挑戦するのもいいことだ」

「亮二さんと、この生活だけで十分で…」

「でも、友達がせっかくの誘ってくれたんだよ?」

理緒は「考えてみる」と言ってうつむきながベッドに入った。