【短】みやまの花嫁

「や、弥世って山の中に住んでんだっけ? じゃあ神社の外れに行ってみるかっ」


「うん……」




ちらちらと、屋台の方を気にしながら、永悟は石畳の道から外れて、木が茂っている方へ歩いて行く。

……でも、暗い中で大丈夫なのかな。

夜に見る窓の外は、真っ暗で何も見えないのに。




「うわー、くれーなぁ」


「そうだね……」


「弥世の住んでるとこも、夜になるとこんなん?」


「うん……」




木々の間を通り抜けて、奥へ奥へと進んでいくと、比例するように視界が悪くなっていった。

さーっと吹く風が木の葉を揺らして、かさかさと音がする。




「こらっ、お前達!」


「わっ!」


「……!」




右手を覆う手の熱を感じていると、後ろから男の人の声がして、足が止まった。

永悟と一緒に振り返ると、腰の曲がった男の人がいる。