【短】みやまの花嫁



永悟の手が離れて、左手のポイを見る。

わたしはそっとポイを水につけて、緑色の球を枠に引っ掛け、ころんとお椀にすくい落とした。




「できた……!」


「おぉ、やったな! その調子だ!」


「うん……っ」


「っ、弥世、わらっ……~~っ、よ、よぉし、おれもやるかっ!」




永悟は頬を赤くして、隣で“スーパーボールすくい”に励む。

箱の奥の男の人は「青春だなぁ」とにこにこ呟いた。


“せいしゅん”って、なんだろう……?




「……」




わたしはひょいひょい球をすくっている永悟を見て、今度は太陽の色がいいな、と目の前に視線を落とす。

ぷかぷかと浮かんでいる中から橙色の球を見つけると、少し手を伸ばして、えい、とポイですくった。