初めて出会った、男の子。
太陽みたいな笑顔の、男の子。
元気いっぱいで、わたしが知らないものをよく知っている……。
「……ありがとう」
「何がだ?」
「声を、かけてくれたこと……食べ物を、くれたこと……知らないものを、教えてくれたこと……」
「……おう」
永悟は瞬きをして、頬を搔きながら視線を逸らした。
「弥世って無口なくせに、お礼だけはよく言うよな……」
「いつも、感謝の心を持ちなさい、ってお姉さんがよく、言うから……」
「へ~、姉ちゃんがいるんだ? おれんとこは兄ちゃんがいるぜ」
「そう、なんだ……」
永悟は、お兄さんと一緒なのね。
女の子は女の人、男の子は男の人、なのかな……。



