「は~、やっぱ夏は炭酸だよなー!」
「たんさん……?」
「お前炭酸も飲んだことないの? これみたいにしゅわしゅわする飲み物だよ」
「……」
そう、なんだ。
これは、炭酸って言うのね。
外の世界は、わたしの知らないものでいっぱい……。
「んー、焼き鳥もうめ~。でもこれだけじゃ足りないし、家帰ったら飯食わないとな」
「……あなたは、この辺りに住んでいるの?」
「ん? まぁ、そうだな」
「……」
「っていうか、ちゃんとしゃべれんじゃん。お前、名前は?」
わたしの、名前……。
「……弥世」
「ふ~ん? 俺は永悟! 谷口永悟な」
「永悟……」



