【短】みやまの花嫁



「あー、ほら、焼き鳥は持っててやるよ」


「……ありがとう」




困っていたら、男の子が透明な箱を差し出してくれた。

わたしはそこに串を置いて、瓶についた桃色の蓋を外してみる。

これから、輪っかを取って、変な形の方を瓶の上に押し当てて……。


ぐぅっと押し込むと、ころんと何かが落ちた。

しばらく待つと言っていたから男の子の顔を見ると、少し後に頷いて、合図を出してくれる。

変な形のものを外してみると、飲み口に詰まっていたものはなくなっていた。




「上手くできたじゃん! ゴミはこっちな」


「……」




瓶を持ちながら男の子が指をさした袋に、桃色の蓋を入れる。

男の子に預けていた串を持ち直すと、男の子は透明な箱を袋に近付けた。