「つまり、アリバイだ」
私がそっと言うと、寧々様は「何よぅ、あんた達……」と悔しそうな声で言ってから、
「滝口くんへの調査の時には、私も連れて行きなさいよね」
なんて言い出すから、私達は笑ってしまった。
翌日。
昼休みになると、息吹ちゃんが寧々様を連れて三組まで迎えに来てくれた。
「滝口くん、教室から出て行ったみたい」
と、息吹ちゃんが言う。
「まず、探すところからだね」
私が返事を返すと、寧々様がフンっと鼻を鳴らす。
「簡単なんじゃない?あんなイケメン、目立つから」
「またぁ、寧々様は滝口くんのこと、好きなんだからぁ」
とからかうと、寧々様は怒ることなくこう言った。
「誤解しないで。私は滝口くんが好きなんじゃないの。美しいものの味方なの」
「……寧々様らしいなぁ」
「もう、そこまで言い切る寧々様が、むしろ美しいよね」
なんて、息吹ちゃんも感心している。
そんな無駄口を叩きつつ、私達は「第二教室棟」を出て、時計広場までやって来た。



