私と息吹ちゃんが頭を下げると、寧々様は照れたように首を振って、
「別にあんた達のためじゃないし。依頼者の人が納得いくように、あんた達がきちんと依頼をこなせられたらいいなって思っただけ」
と、言った。



「よし、彩葉ちゃん」



息吹ちゃんが鞄を持った。



「もうそろそろ部活時間も終わるよ。女子ソフトボール部に行こう」

「あ、聞き込み?」

「うん。第一発見者を探そう!」



私は大きく頷く。



「彩葉ちゃん、そのまま帰るかもしれないから、鞄も持って行こうよ。寧々様、まだいる?部室の鍵、頼んでもいい?」

「いいよ。頑張ってね」




部室を出て。

私達は校庭に向かった。



女子ソフトボール部は部活終わりのミーティングをしていて、もう少し時計広場で待つことにした。



「第一発見者がわかったら、時田さんのこと、何か少しでもわかるといいよね」



話しかけると、息吹ちゃんは頷き、
「どうして死んでしまったのか、知りたい」
と、呟いた。