どうしてなんだろう?
私には、美しいクラスメートとして存在する市川さんより。
一匹狼で。
周りに攻撃的な、寂しい市川さんというイメージのほうが強い。
だからかな?
彼女がキラキラと、舞台の上に立つ姿を。
想像することが、ものすごく難しい。
きつい瞳で毒を吐き、ひとりで教室に居る彼女のほうが、私にとっての市川 櫻子さんだ。
(……私って、ひどい人間かな)
放課後。
急に雨が降ってきたから部活が中止になったと言って、矢戸田さんと立川さんが、私と息吹ちゃんをお茶に誘ってくれた。
「その後どうなの?」
と、学校の近くにあるファストフード店で話を切り出したのは立川さんだった。
「……時田さんの事件は、間に合わなかったんです」
と、息吹ちゃん。
「加瀬さん、あれからどうなってるの?」
矢戸田さんは心配そうに尋ねるけれど、息吹ちゃんは首を振って、
「よくわかりません。多分……、これから報道が加速していくんじゃないかな」
と、眉毛を下げた。



