「滝口くんは、何か知っている」 息吹ちゃんは言う。 「犯行時刻周辺の滝口くんの行動が気になる……」 「ちょっと、息吹までやめてよ。関係ないってぇ」 「息吹ちゃん、この事件の鍵は、鍵じゃないかも」 と、私は言った。 「鍵は、滝口くんかもしれない」 息吹ちゃんも頷いて、 「犯人と繋がっているかも」 と、神妙な面持ちで言った。