まもなく指先が顔に触れる…。



 パチン!



「あいたっ」

 痛みで、とろけかけた頭がようやく動き出した。


 例のごとくデコピンを食らってしまい、おでこはじんじんしてくる。


 ほんと容赦ない。


 そんな様子を見て太一さんは面白そうにケラケラ笑い出す。


なんだか一人でばたばたしちゃって、正直おもしろくない。


 ぷうっと頬を膨らませて、文句を言おうと睨みつけるように見上げた。


「明日からがんばれよ」


 あんまりにも楽しそうに笑うから…


「…はぁい」


 許したくなって、思わずあたしも笑った。




 明日は、とうとう試験初日!