メールに返信もせず、携帯電話を閉じる。

カウンターに頬杖をついて、チビ助のノートを覗き込んだ。


「……―で?」


 オレの声にビックリしたのか、チビ助はぱっと顔を見上げてきた。



 思っていたよりも目が大きくて、綺麗な黒い瞳。

 成長したらイイ女に…。


なんて変な妄想に気づく。



 オレはアホか!?ロリコンか!?



 壁に頭を打ち付けたいほど、恥ずかしい脳内を必死にかき消した。



 自分と闘っているオレは誤魔化すように咳払いをした。


きょとんとするチビ助にかまわず、教科書とノートを見比べる。


 同時に、さっきのメールを思い出した。

 文字からはサトの笑顔が連想されるくらい、あいつらしかった。



 来週は中間試験か…。



会いたい。

会いたくない。


 おなじところか湧き出てくる気持ちなのに。