沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



俺の口から洩れたのは、風でふき消されそうなほど弱々しい声だった。


カッコ悪いところを、壮太に見せているってことはわかっている。



恥ずかしさに襲われ、燃えそうなくらい熱を帯びる頬。

右手で顔を覆っているが、全然隠しきれてない自信がある。



俺は総長なのに……

堂々としてなきゃいけない立場なのに……



自分の立場を理解しているものの、姫野への恋熱は下げられないのが現実で。

無様な自分をさらけ出してでも、俺は手に入れたくてたまらない。



人生で初めて惚れた

姫野 結衣花のことを。





「総長、やっと素直になったね~」



ニヒヒと笑い声が聞こえてきて、俺は顔を上げた。



「俺ら、わかってたけど。総長に好きな女ができたって」



えっ?



「……俺らって?」



俺は驚き顔で、壮太の肩を掴まずにはいられない。