「好きなものをバカにされると、ものすごく辛いよね」
「太一くんにも、学校で勉強なんかしてないで幼稚園で遊べばって言われたんだ」
「そっかぁ。それは悲しかったね」
「僕はおかしいのかなって、思っちゃって……」
「だから、歩はおかしくないんだってば」
「お姉ちゃん、実はヒーローなんてそこまで好きじゃないでしょ?」
「……えっ?」
「家でヒーローの話なんて、全然しないじゃん。僕のために、今日はヒーローが大好きなお姉ちゃんを演じてくれてたんでしょ?」
「……バレてたか」
「そりゃバレるよ。一緒に住んでるんだし」
「アハハ~ そうだよね。歩はそういうとこ鋭いもんね」
「僕を騙そうとしても無駄だからね」
「でもね、お姉ちゃんは思うんだ」
「何を?」
「ヒーローみたいに人を助けられる人間になりたくて、毎日空手を頑張ってる歩は、誰よりもカッコいいなって」



