沼甘総長は、左手の薬指を独占したい




人気のない小道を歩いていると、急に横から声をかけられた。


「オマエか!」


悪意を感じる低い声。


これが東条くんの声なら、必死に笑顔を作るんだけど。

私の前に進み、道をふさぐように立っているのは女子6人組。

どう見ても、私とお友達になりたい方々ではないみたい。


目じりを吊り上げるようにひかれた、キツメのアイライン。

主張の強い、真っ赤なルージュ。


濃い目の化粧に、金髪で。

セーラー服姿の6人全員が、私に睨みを飛ばしている。



うっ……


正直、怖すぎです。

助けを求めたいくらい。


でも高い建物に囲まれている薄暗い小道には、私たち以外誰もいないし。



「あたしが話すから、お前らは黙ってな!」



一番強そうな女子がカツを飛ばすと、他の5人は頭をペコリ。


「わかりました!」


部活の先輩を恐れる後輩並みに、礼儀正しくお辞儀をした。