沼甘総長は、左手の薬指を独占したい



「来年も一緒に 花火見ような」


「……うん」



一年後の私を縛る約束を、東条くんがしてくれた。


そのことが嬉しすぎて、私は気づいていなかった。


いつの間にか観覧車が、てっぺんを通過していたことを。





遊園地の閉園後、東条くんは私を家まで送ってくれた。

相変わらず、二人とも無言だったけれど。


東条くんの耳が終始真っ赤で。

薄暗い道でもわかるほどで。


緊張してくれているのかな? 


そう思ったら、無言の時間も愛おしくなっちゃった。



「またな」


「東条くん、おやすみなさい」



東条くんに手を振り、私は家の中に入った。


ドキドキにかられるまま階段を駆け上がり、自分の部屋のベッドに寝転がる。



夢みたいな一夜だった。

本当に私、夏祭りで東条くんを独り占めしちゃったんだ。


二人で花火を見上げるのも、観覧車に乗ったのもドキドキだったし。

ベッドで目をつぶっても、東条くんの笑顔が蘇ってきちゃう。


キュンキュンが収まらないよ。

今夜、眠れないかも。